エッセー 共同出版について②

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 最初に『封神演義』出版の相談があった時、  「二年前、中国語のテキストを出版した時のように、自分たちで頁レイアウトして印刷会社で印刷製本すれば、費用は印刷製本代だけで済むし、その時のように新聞で取り上げて貰えば黒字にできる。  頁レイアウトは、その時のように僕がする」 と提起しました。  ただしやっぱりきちんとした装幀の本をつくり書店に置きたいという意見が多かったのです。  自分にとってはマイナスの記憶しかありません。  費用が高くついても将来につなげられればよいのですが、二百冊売れたくらいで、  「中国の古典小説『封神演義』を原典に忠実に日本で紹介する」 目的が達成できたとはいえないでしょう。  最初からこういう結果になることはある程度、予想がついたし、もっと印刷だけで済ませる方法を主張すべきだったと反省しています。  その後、僕は日中友好の活動からも離れ、今では全く関わっていません。  『封神演義』の出版が遠因といえば、そういうことになるでしょう。  ただ誰でもそんな結果になるとは限りません。  あくまで僕個人の経験です。  『リアル鬼ごっこ』や『心霊探偵八雲』の例もありますから・・・  僕個人は、出版社を介した自費出版や共同出版は二度と行わないと思います。
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