エッセー 共同出版について④~新風舎の倒産~

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エッセー 共同出版について④~新風舎の倒産~

 自費出版、共同出版を中心に行う出版社の倒産が大きな話題になったことがあります。  2006年は碧天社。  2008年1月の新風舎の倒産は新聞や雑誌でも取り上げられて話題になりました。  その後、日本文学館という出版社が色々と批判を浴びました。この件については事実関係がハッキリしないのでトラブルの紹介は控えますが、ネットですぐに検索できます。  新聞でも話題になった新風舎倒産の頃といえば、僕は児童作家をめざしていろいろ応募していました。  公募情報の専門誌『公募ガイド』には、毎月、新風舎の広告が掲載されていました。  「本を出版したい人。原稿を送って下さい」 と大きく謳い、さらに各種コンテストも頻繁に行っていました。  パターンはどれも同じです。 ・大賞や優秀賞など上位入賞は新風舎が商業出版します。(無料で自分の本が出版できるということ) ・それ以外の入賞者。ならびに選外でも優れた作品には、共同出版を提案します。  賞金は、大賞が三十万と高額な賞もありました。エブリスタのコンテストも真っ青ですね。  公募ガイドで十頁以上、広告を掲載していた記憶があります。  新風舎は2006年には出版点数が三千近くと既存の出版社の中で一位を記録しました。  社長の松崎義行氏にも脚光が当てられ、朝日新聞の土曜日版「be」の第一面を飾りました。  第一面は会社の社長やNGO団体の代表、文化人や科学者などに焦点を当てた記事です。  松崎氏は、この記事や広告などで、  「誰でも主人公になれる!脚光を浴びることができる」 ことを力説していました。
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