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それでもコンテスト自体は続けていたようです。
一方で共同出版の契約をした人、出版した人達からクレームが相次ぎ、裁判も起こされていました。
そして2008年一月に倒産し、2010年に会社自体廃止されたのです。
新風舎について識者は、
「本を売る出版社じゃない。著者から金を取って経営している出版社だ」
と指摘しました。
かつて松崎氏は言いました。
「誰でも主人公になれる!脚光を浴びることができる」
当時、雑誌は新風舎の「被害者」を実名入りで紹介しています。
「素晴らしい作品と持ち上げられ、何百万と払って出版したが、全然売れなかった。
実際には契約通りの冊数出版していなかったと後に分った」
「新風舎が主催した2007年秋の出版賞に入賞して30万円貰えるはずなんですが、どうなるのでしょうかね」
「私の考案したキャラクターを普及するために大金を支払い共同出版の契約を結んだのに、大幅に出版が遅れて私の計画に支障をきたしました。
私の希望した書店にも置いてもらえず本は売れませんでした。
キャラクターを売り出す夢が新風舎により頓挫したんです。
悔しくてなりません」
(記事やインタビューを基に、プライバシーに配慮しつつ再構成。)
確かに松崎氏の述べた通りです。
この人達は雑誌で「脚光」を浴びることができたのです。
最後になりますが『創』という雑誌の「読者の声」に掲載された僕の投稿の一部です。
<・・・一方で私は、夢に溺れ新風舎に「騙された」と主張する人々も批判的に見ている。
売れる企画なら大手出版社が取り上げてくれるだろう。相手にされないから、共同出版の新風舎に持ち込んだのではないか?
出版費用も負担したのだから、分別ある大人なら大きなリスクがあることに気がつくべきだったと思う。
しょせん素人が簡単に元手を取り返し、大儲けするなど夢物語でしかないことぐらい常識でしょう。
どうして出版が例外になるのでしょうか?
今、大人達は「リストラ」におびえ疲れ切っている。
印税で今の生活からの脱却を夢見た大人たちが、よく考えもせずにたどり着いた先が「新風舎」という泥舟だった。
そして船は沈み、彼等は海に投げ出された。
新風舎倒産ほど現代社会をうつし出したものはないと思っている>
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