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ハリマオと話した夜①
快傑ハリマオ第一部クライマックス採録
東南アジア全土の征服を企てる某国軍事機関・ジャワ統治庁はスパイ、トウチミンを使ってハリマオに協力する少年、太郎の姉、令子とハリマオの正体が恋人の大友道夫ではないかと疑う秋絵、太郎の友人、少女マイヤーを捕え、秘密結社、黒い爪の本拠地、人々が魔の城と呼ぶ孤島に監禁した。
トウチミンの手引きで独立党のアジトは軍の猛攻を受け、独立党員は必死の防戦も空しく全滅した。
某国の東南アジア征服を阻止しようとするハリマオ暗殺のため、
「ハリマオの仲間の三人の女性を魔の城で処刑する」
と書かれた通知が、ジャワの町に貼りだされた。
ジャワ統治庁の兵士、黒い爪のメンバーが立ち会う中、島の海岸で三人の処刑が始まろうとした時、近くの崖の上にハリマオの勇姿が・・・
射撃兵の銃は、一瞬のうちに黒い爪のメンバーをその場に倒した。
ハリマオの部下達の変装だった。
残った黒い爪のメンバーや兵士は、ハリマオの部下の前に一人二人と倒れていった。
逃げる黒い爪のボス、キャプテンKKとトウチミン。
ハリマオは断崖にふたりを追い詰める。トウチミンが剣を抜いてハリマオに向ってくる。
キャプテンが不適に笑う。
「ハリマオ。ふたりの勝負だ!最後まで見届けてやるぞ」
「よかろう!」
すさまじい剣と剣の対決!トウチミン役は『巨人の星』の星一徹や『名探偵コナン』の松本警視の声で知られる加藤精三。あの声で、「ウワーーッ」「クソーーッ」と叫んでくれる。
ハリマオの剣が風を切る。
トウチミンは絶叫と共に断崖から海岸に落下。息絶える。
キャプテンは動じることもなく、拳銃をもてあそびながらハリマオに告げる。
「ハリマオ!まだ貴様と俺の勝負がついていないぞ」
「キャプテン。これ以上、戦っても無駄だ。拳銃を捨てて降伏しろ」
キャプテン、不敵に笑う。
「やっとふたりになれたな。一騎打ちの勝負をしよう」
ハリマオも笑顔で返す。
「面白い。やるか!」
至近距離で向かい合う。
ふたりがほとんど同時に拳銃を抜く。
銃声。
ハリマオの腕から血が流れる。
それをじっと見つめているキャプテン。
ゆっくり体が前に傾き、そのまま倒れる。
ジャワ統治庁の「ハリマオ暗殺計画」は失敗し、黒い爪は壊滅。ハリマオは再開を約束し、部下と共に馬にまたがるといずこかへ去って行く。
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