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受賞作『ぼくたち二人名探偵』は、次のような内容です。
<レイテントリマーと呼ばれる謎の怪人が、全国の小学校に出没してパニックを引き起こしていた。
「通知表には反対ですので、いただきにまいります」
の予告状と共に終業式直前に通知表が消えてしまう。
レイテントリマーの正体は、イケメンの男の子って女生徒が噂してた。
ぼくの名前は松山洋介。小学六年。ミステリーのファン。
成績は・・・フツーってことにしておこう。
一学期の終業式直前、突然クラス委員で成績優秀、美人の小島江美子さんに屋上に呼び出された。
「一応、同じクラスの松山君。
断っておくけど、ぜんぜん君に興味ないから・・・
勉強はたいしてできない。スポーツもできない。もてない。ハンカチはきたない。
ないないづくしのMAX。
君のこと、興味持つってこと、地球が滅びて月も火星もふっとんでしまってもぜったいないから!
だいたい君って・・・」
「ちょっと待ってよ。朝からそんなひどいこと言わなくたって・・・」
「君の悪口言いだしたら夜になっても終わらないから・・・
ところで君の家を借りることになったからお願いね」
レイテントリマーが、ぼくの学校に通知表をいただくと予告。
校長先生と教頭先生はパニック!警察に届け出れば、騒ぎが大きくなるというわけで、ぼくの家で通知表の入った箱を終業式まで預かり、小島さんとぼくとで二十四時間見張りをすることになった。
食事や睡眠は交代してとることにしていた。
通知表を入れた段ボール箱が置かれているぼくの勉強部屋。
クラスの人気NO1の小島さんと一緒にいられるのでウキウキのぼく。
もっと近づきたいのに、小島さんからは冷たい視線と冷たい言葉だけ。
「レイテントリマーって、もうこの家に来てるかもね。
松山君のようなマヌケならだいじょうぶって思って・・・」
あんまりな言葉・・・
ポロリと涙がこぼれた。
でも最後の大逆転!
ぼくのアイデアで通知表は無事、終業式に生徒に配られた。
でも小島さん、ぼくに先、越されたのがくやしかったみたいで、不機嫌な顏だったけど・・・
終業式が終わってからの帰り道。
小島さんが肩をつついてきた。
「洋君」
えっ、「洋君」?
小島さん、ぼくの腕をつかんで、サッサと歩き出した。
「君と学校で探偵事務所を始めることにした。
今から相談するから・・・
それからこの前、君に言ったことはぜんぶ取り消す。
さあ、行こう」 >
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