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「…落ち着いた?」
「…はい」
とことん甘やかされてるな、僕は。
愛されていると考えるのは、虫が良すぎるだろうか。
マリアの場合は、性欲が先行しているような気もするし。
「アイリーンちゃんから連絡があってね、クリトリスクエアで見慣れない連中がうろうろしてるみたい」
「…ディープの言ってた特務機関の奴らですか?」
「恐らくね。逃げた実験体を探してるんでしょう」
と言うことは、まだ実験体達はクリトリスクエアの何処かに潜伏しているのだろうか。
なんと言っても、非合法に改造を受けた身だ。
おいそれと街の外に出られないだろうし、特務機関の奴らも必死の捜索をしてくる。
厄介なことになる前に、こちらで保護しなければ。
「念のため、マッスルちゃんをペニスクエアに向かわせたわ。もしかしたら、そっちに逃げ込んでるかもしれないし」
「でしたら、僕はクリトリスクエアでコーガンさんと合流します」
支部局は二つの区域を挟んだ丁度中心にある。
どちらかで何かが起これば、マリアの事だ。すぐにでも飛んできて立ちはだかる敵を全て殲滅するだろう。
「…そうね。何かあったらすぐ伝えるように」
「了解しました」
僕の言葉に被せ、マリアは唇を重ねた。
舌が口内に侵入し、お互いの舌が絡み合う。息が苦しくなるギリギリで、マリアは唇を離した。
「ん…無事に帰って来たら、今度こそゴホウビあげるわ」
そう言って微笑むマリアは、今までで一番優しく見えた。
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