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「ありがとうございました。次は理事長先生、お願いします」
新入生代表の挨拶が終わり、理事長の話に入る。
(あっ、挨拶聞いてなかった!)
しょんぼりとこうべを垂れていると、キーンと耳鳴りがする。
それと同時に激しい頭痛に襲われる。
(頭がッ、われ、る)
式の途中で、僕の意識は途絶えた。
ーーーーー
気がついたら、白い天井が目に入った。
消毒液の匂いがするということは保健室かな、と予測を立てて起き上がる。
「あら、目が覚めた?」
ベッドの周りにあるカーテンをシャッと音を立てながら開けたのは桃色の髪をした女の先生。
「俺、式の途中に……」
「そうよ、倒れちゃったの」
「すみません……」
「大丈夫よ。貧血だと思うから、今日一日は走ったりせず、静かにしていなさいね」
「はい。ありがとうございます。ところで、俺はどうしたらいいでしょうか」
「うーん、あまり時間も経っていないし、教室に向かえばいいと思うわ」
そう言って先生はパンと軽く手を叩いた。すると、どこからか紫の髪の少年が現れた。
「この子について行ってね」
「分かりました」
そして保健室を後にした。
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