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男の子についていくと、ひとつの教室の前に止まった。
「ここに入ればいいの?」
そう聞くと、小さく頷いて消えていった。
(保険の先生の魔法だったのかな)
俺は魔法人形を作れないので、今度やり方を教えてもらおうかな。
ここで止まっていては案内してもらった意味が無いので、とりあえず部屋に入ることにする。
ガラガラガラッ
「うわっ」
取っ手に手をかけた所で部屋の中から大きな男の人が出てきた。
「あ、リュカ・クラインか?」
「そうです」
「今から様子を見に行こうと思っていたんだ。あ、お前の担任のヴィクトール・ドレインだ。よろしくな」
「よろしくお願いします」
少し間が空いたところで、
「ここはSクラスだ。今の能力学力関係なく、素質のある奴が入る。……お前も例外じゃない。たまに、『自分は素質なんてない』なんて抜かす野郎もいるが、俺の眼を見くびるなよ」
まるで、俺のこころを覗いたような言葉。……確かに、ここに入れさせてもらったということは、そうなのかもしれない。
ここで、自分の力を伸ばせるように頑張らないと。
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