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「そこの空いてる席だ」
「分かりました」
俺は窓側から2列目の一番後ろの席に座った。左横の席には誰も座っておらず、鞄だけが置いてある。
(どこにいるんだ?)
教室を見渡しても、それらしき人はいない。俺みたいに倒れたのかと考えて、前を向き直した。
ーーーーー
「リュカ、このあとなにか予定ある?」
話しかけてきたのは、赤い髪をポニーテールに縛った少女。
火の貴族、シルヴェストル家の娘のはず。名前はアメリア。
「ないよ。どうしたの?」
「クレープ食べに行かない?」
「くれーぷ?何それ」
「えっと、すごく甘くて美味しいものらしいわよ!この近くにお店があるんだって」
「へぇ!行きたいな」
2人で楽しげに話していると、
「俺も行きたい!」
と、声が聞こえる。声の主はレオ・バートン。光の貴族の少年。
俺が昔あったことのある人。
それと、隣のいなかった席はレオの席だった。挨拶をしていたから遅れたと言っていた。
「じゃあ3人で行きましょう!」
そういうことに決まったらしい。
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