206人が本棚に入れています
本棚に追加
「……なんだ、これ」
世界の始まりの物語、聖者の物語。
最後のページには『聖者は神と同じ末路を辿り、次のものに受け継がれる。聖者が完全体になる時、全ての記憶が蘇るだろう』と書かれていた。
(つまり、聖水は神々が姿を変えたもの……?聖水を飲んだら聖者になるの……?)
「だったら俺は……」
考えただけでゾッとする。
その時、声が聞こえてきた。
『思い出せ。俺たちはこの時のために全てを……』
誰っ!?
『思い出せばわかる。お前は、俺だ』
意味のわからない言葉が頭の中に響いてくる。何度も繰り返される言葉を聞いていくうちに、頭に靄がかかったように思考がはっきりしなくなる。
それからしばらくして、急に体に力が入らなくなって倒れてしまった。
その近くには、長い銀髪を持った、リュカにそっくりの青年がいた。
最初のコメントを投稿しよう!