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「おい」
「なっ!?」
あの声だ!
はっきりと聞こえた。でも、頭に響いてくるような感覚はない。
「お前、ちゃんと状況判断出来てるか?」
「え?どういう……」
気になって周りを見てみると、あることに気がついた。
「ここ、僕の寮だよね、なんで?いつの間に?」
「お前が倒れてる間に。」
姿は見えないのに、指を刺されている気がする。気のせいかな。
「どうやって入ったの?ていうか誰。姿を見せてよ」
「んー、お前がびっくりすると思うからみせてないんだけど。ま、そこまで言うならいいよな」
一瞬、空間が揺らいだ。
瞬きをした次の瞬間には僕の目の前に僕にそっくりな青年が立っていた。
「はじめまして、俺。久しぶり、俺」
「意味がわからない挨拶だなあ」
「その通りの意味だよ」
「やっぱり分からない。あなたは誰?」
「あー、説明するには少し時間がかかるな。それでもいいか?」
「うん。大丈夫」
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