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成人式に参加したのも、綾香が話してないか情報収集だったのかもしれない。どこまでも肝の据わらない男だ。
遺体は今頃、DNA鑑定か何かしてるだろう、それから家に帰される。
7年の時を経て、やっと綾香は家に帰れる。
「お母さん、可哀そうだね」
きっと、どこかで生きている事を願っていただろう。それを考えると胸が痛む。
綾香は、なぜ自分が殺されなければならなかったのか、分からないまま死んで行っただろう。
母親は、それを抱えてこれから生きていく。
「でも莉緒、オレンジジュースだけでよくわかったね」
「まぁ、なんとなく」
そこは適当にごまかした。
あれ以来、頭痛もめまいもしなくなった。もしかしたら、あれは綾香が教えてくれたのかもしれない。
「ねぇ、綾香のお葬式、行くよね、いつになるかわからないけど」
「もちろん」
みんなで誓う。
お墓には、うさりんのキーホルダーを持って行ってあげよう。
もっと何か持っていってあげたいけど、綾香が何が好きだったか分からない。
なれなかったけど、殺された友の事を私は忘れない。
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