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クッションの上に、横になる。
しばらくぽわんとして、思いついたようにスマホゲームや検索をしたりして、気が付くともう夕方だった。クーラーが利きすぎて寒い。
バド部は、私の学年は9人いた。
私の所とマキグループ、それなりに話はしていたし、いがみ合ってもいなかった。
綾香が外れたのは、なぜだっただろう?
そう特に綾香が何をした、という記憶はない。きっかけもよく分からない。
マキが綾香を嫌う理由。
やはり、外見が地味だから?
確かに愛想が良くないと言うか、ニコニコしてるタイプではなかった。
そして割と不器用なタイプだった。
部の一年生全員で集まって、なんだか話をしていた事がある。内容は記憶にない。他愛のない話だったか、何かを決める時だったか。
そこで綾香が、何か言ったような?
何か、的違いというか、ズレた感じだった?
するとマキが、こそこそと何か話し、クスクスと笑っていた。
それから、何かと綾香を見ては内緒話と含み笑い、当然綾香はマキを避け始める。
挨拶も何もしない綾香に、
「あいつ、性格悪いよね」
いつでも自分中心で、女王様でいたいマキ。
それに対して、私も陽菜も、誰も何も言わなかった。
みんな綾香に対して、あまりいい印象がなかったのも、マキの影響は確かにあったと思う。
そんな微妙な雰囲気の中、綾香が距離を置くのは当たり前の事なのだ。
要するに、悪循環が出来たのだろう。
どんどん、綾香は外れて行った。
スマホが鳴った。サーティワンのトリプルアイス。
「もしもし」
『もしもし。今大丈夫?』
「うん、親戚回り終わったの?」
『終わった。疲れたよ』
陽菜の家は、家族全員で親戚回りが、お盆の恒例行事になっている。
『……それでね、昨日、私会ったの』
「え、誰に?」
『綾香のお母さん』
動きが止まった。
「私も会った。今日の昼」
沈黙が下りた。
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