君が走る ぼくが走る

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 だけどね。  ぼくは静かに笑う。 「重力が地球の六分の一だから。月なら君もまた自力で歩けるかなと思って」  君は驚くも嬉しそうな表情をした。  入院中に知り合ったぼくと君。  それぞれ事故で怪我していた。  ぼくは走れる義足を付けて立つ。  君は細い二本の自分の足で立つ。
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