君が走る ぼくが走る

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 笑いたい奴は笑え。あれは本物。知っている、信じる者だけ乗せていく。  どこへ?  月に存在するコロニーに。  そんなところができていたなんて、誰も知らない。話すわけない。  移民できる人数が限られている。  あちらで生きていける場所ができている。だが、広くはない。  ぼくと君。ぼくたちのような若い恋人たちが、だから選ばれた。宇宙船を知った。  でもね。  先着順なんだ。  あとで知ってからでは遅い。  先着順は一度だけ。それ以降は国が選んだ優秀とされる者だけが行ける。らしい。  ぼくは行きたい。  君と生きたい。
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