第3話 2.ミハルの奮闘

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 ミハルが慌てて囁き声の入ってきた耳をパッと両手で覆うと、その人はスッと身を引き、愉快げに微笑んだ。 「ふふふ、さてと。お遊びはこれくらいにして、悪いけど、この荷物は自分で運んでもらえるかしら、僕ちゃん?」 「えっ……?」  突然の言葉にミハルは目を瞬く。 (今まで僕は遊ばれてたの⁉ いやいや、それ以上に何か耳を疑うようなこと言ってなかった……⁉)  その人は、固まるミハルを一瞥すると、気怠い様子で頬に落ちかかる髪を細い指で耳に掛けた。その仕草がじれったいほどゆっくりで、ミハルは目で追わずにはいられなかった。 「知ってると思うけど、あたしの本業は情報を入手して渡すこと。品物集めは本来の仕事じゃないのよ」  艶めく唇から紡がれる言葉が、頭に反響して素通りしていく。
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