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「クロードの頼みだったから、特別に引き受けてあげたけど、これ以上は自分たちでどうにかしなさいね。だからね、はい、これ」
ぼんやりと話を聞いていたミハルがハッと我に返ると、その手には馬の手綱が握らされていた。
「え……⁉ 何ですかこれ……⁉」
「あたし、クロードに呼ばれてるのよ。これ以上待たせたら拗ねちゃうわ」
ミハルは慌てて手綱を返そうとするものの時すでに遅く、その人はローブをはためかせ木戸を通って中庭を進んでいた。
「じゃあ頑張ってね!」
その人はヒラヒラと後ろ手に手を振ると、奥へと姿を消してしまった。
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