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「つっかれたぁ……」
「お疲れ様」
バタっと部屋の出入り口で大の字になって倒れ込むミハルに、シオはコップを差し出した。
「はい、これ」
「あ、ありがと~」
ミハルは腕で上体を支えながら身体を起こすと、プルプルと小刻みに震える手でコップを受け取って、危なげに口から迎えに行くと、そのまま一気に飲み干した。
「っぷっはぁ~~っ! 生き返るーっ! もう一杯!」
仕事終わりに一服したオヤジのような声を出しながらミハルが空になったコップを向けてくる。その顔にほんの少しだけ生気が戻ったのを見て、シオは内心ホッとした。
(死相が表れてたからどうしようかと思ったけど、心配なさそう)
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