第3話 2.ミハルの奮闘

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 シオはミハルから空のコップを受け取ると、部屋の真ん中にある長机に置いておいた水差しを手に取った。輪切りにしたレモンを入れたレモン水だ。    元々、昼食後、ミハルがシオのためにと用意しておいてくれた物なのだが、結局、ミハルの方が飲んでいる気がする。 (まぁ、それも仕方ないかな)    と思いながら、シオは部屋の隅に積まれた薪をチラッと見た。  そこには、シオの背よりも高く薪が積まれていた。それだけならまだしも、部屋の外にも同じくらいの量の薪が棚に積まれている。それら全て、ミハルが裏道に横付けされた馬車から運んでくれたのだ。しかも、一人で。    シオは労いの気持ちを込めてレモン水をコップになみなみと注ぐと、ミハルに手渡した。 「大変だったね」 「ホントだよぉ~。あの情報屋さんもさぁ、少しくらい手伝ってくれてもいいのにさぁ、クロードさんに呼ばれてるって、目にも留まらぬ速さで行っちゃうんだもん……」  ミハルはぶつくさと文句を言っている。ミハルの話によると、必要な物を持ってきてくれたのは、あのクロードの情報屋とのことだった。
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