414人が本棚に入れています
本棚に追加
シオは水差しを長机に戻すと、肩をすくめた。
「本来の仕事じゃないんだし、必要な物がすぐに揃っただけで感謝しないと」
「……シオはこの大量の薪を運んでないからそんなことが言えるんだよ…………!」
ミハルは不機嫌そうに唸ると恨みがましげな視線を向けてきた。
「裏道からここまでって意外と距離あるんだからね……⁉ それを僕一人でさぁ、コツコツ運んでるのに、だぁれも気が付いてくれないし、気にしてもくれないし……」
と、ちびちびとコップに口をつけながら、酔っ払いの絡み酒よろしくくだを巻く。非常に面倒くさいモードに入ってしまった。シオは腕を組んで窓の外に視線を投げた。
「それにしても、情報屋はなんでクロードの元に行ったんだろうね?」
あからさまに話題を逸らしながら、気になっていたことを口にする。
本来の仕事内容を考えると、何かの情報をクロードに渡しに行ったと考えるのが妥当だろう。もしそうだとしたら、どんな情報を入手してきたのだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!