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(もしダーフェルの拾った奇石に関する情報だとしたら、ぜひ聞いておきたいな)
シオが考えを巡らせてワクワクしている足元で、ミハルは相変わらず床に腰を下ろしたまま顔をしかめた。
「さぁ? 報酬の受け取りでクロードさんのところに行っただけかもしれないよ? あの情報屋さん、ウキウキした足取りだったし」
と、レモン水を啜りながらどうでも良さそうに答える。
しかし、シオの好奇心はムクムクと膨れ上がっていった。
(そういえばあの情報屋は、クロードとは昔なじみだって言ってたよね……? ってことは、石の情報意外にも、クロード関連の面白い情報を持っている可能性もあるかも……?)
シオは目をキラッと輝かせてミハルを見下ろした。
「……私、ちょっと覗いてこようかな?」
「⁉ 何言ってるの⁉」
ミハルはぎょっとしたように言うと、よろよろと立ち上がった。生まれたての小鹿のようにふらふらの足ながら、中庭に続く扉とシオの間に立ち塞がる。
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