第3話 2.ミハルの奮闘

41/74
前へ
/604ページ
次へ
(もしダーフェルの拾った奇石に関する情報だとしたら、ぜひ聞いておきたいな)  シオが考えを巡らせてワクワクしている足元で、ミハルは相変わらず床に腰を下ろしたまま顔をしかめた。 「さぁ? 報酬の受け取りでクロードさんのところに行っただけかもしれないよ? あの情報屋さん、ウキウキした足取りだったし」  と、レモン水を啜りながらどうでも良さそうに答える。  しかし、シオの好奇心はムクムクと膨れ上がっていった。 (そういえばあの情報屋は、クロードとは昔なじみだって言ってたよね……? ってことは、石の情報意外にも、クロード関連の面白い情報を持っている可能性もあるかも……?)  シオは目をキラッと輝かせてミハルを見下ろした。 「……私、ちょっと覗いてこようかな?」 「⁉ 何言ってるの⁉」  ミハルはぎょっとしたように言うと、よろよろと立ち上がった。生まれたての小鹿のようにふらふらの足ながら、中庭に続く扉とシオの間に立ち塞がる。
/604ページ

最初のコメントを投稿しよう!

414人が本棚に入れています
本棚に追加