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「そんなこと、ダメに決まってるでしょ⁉」
シオはじっとりとした目でミハルを見た。
「なんで? 気が付かれなきゃ大丈夫」
「でもクロードさんもその場にはいるんだよ? 気づかれないわけないでしょ! バレたら長時間説教どころじゃないよっ‼ それに……」
「それに?」
変なところで言葉を切ったミハルにシオは首を傾げる。
「それに、何?」
「それに……その、あの人とは関わらない方が身のためだからっ!」
「? なんで?」
ミハルはその情報屋と言葉を交わしているはずなのに、何故そんなことを言うのか。
疑いの目を向けると、ミハルは赤くなったり青くなったりしながら、最終的には渋い物を口に突っ込まれたかのような顔になった。
「なんでも! とにかく、あの人はただ者じゃないから! シオなんてあっという間に餌食にされちゃうから‼」
「? あの人は猛獣なんかじゃないでしょ? なんで私が捕食されるの? ミハル、頭大丈夫?」
疲れすぎで幻覚でも見えているのだろうか。
哀れみの目をミハルに向けた時、視界の端で何かが動いた。
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