第3話 2.ミハルの奮闘

42/55
412人が本棚に入れています
本棚に追加
/585ページ
「そんなこと、ダメに決まってるでしょ⁉」    シオはじっとりとした目でミハルを見た。 「なんで? 気が付かれなきゃ大丈夫」 「でもクロードさんもその場にはいるんだよ? 気づかれないわけないでしょ! バレたら長時間説教どころじゃないよっ‼ それに……」 「それに?」  変なところで言葉を切ったミハルにシオは首を傾げる。 「それに、何?」 「それに……その、あの人とは関わらない方が身のためだからっ!」 「? なんで?」  ミハルはその情報屋と言葉を交わしているはずなのに、何故そんなことを言うのか。  疑いの目を向けると、ミハルは赤くなったり青くなったりしながら、最終的には渋い物を口に突っ込まれたかのような顔になった。 「なんでも! とにかく、あの人はただ者じゃないから! シオなんてあっという間に餌食にされちゃうから‼」 「? あの人は猛獣なんかじゃないでしょ? なんで私が捕食されるの? ミハル、頭大丈夫?」  疲れすぎで幻覚でも見えているのだろうか。  哀れみの目をミハルに向けた時、視界の端で何かが動いた。
/585ページ

最初のコメントを投稿しよう!