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ハッとして窓の外を見ると、台所の扉が開いて、黒いローブ姿の人物がぬるっと出てきたところだった。
シオはにんまりして窓の外を指さした。
「ちょうど出てきたから、直接話を聞くチャンス――」
「絶対ダメだからっ!」
一歩扉の方に足を踏み出すが、ミハルが通せん坊するように進路を塞ぐ。シオはムッとしてミハルを睨んだ。
「ちょっと、そこどいて。少し話聞くだけだし問題ないでしょ?」
「大ありだから! シオはあの人と接触禁止!」
「なんで? ミハルだけズルい。私も情報屋の知り合いがほしい」
「知り合ってなんかないから! ただ遊ばれただけだから!」
「? 遊ぶほど仲良くなったの? 私の知らないところで」
「ぜんっぜん違うから! とにかくあの人はシオには荷が重すぎるから‼」
ジリジリと間合いを取りながら、右に行っては左に行って、の攻防を繰り広げ、再び窓の外を見たシオはガッカリと肩を落として動きを止めた。
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