第3話 2.ミハルの奮闘

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「必要な情報なら、クロードさんが後でくれるでしょ」  ふて腐れたような仏頂面で、長机に置かれた水差しから自らコップに注ぎ入れ、もう一杯レモン水を飲んでいる。もう水差しの中身は空っぽだ。  シオはムッとして部屋の扉を閉めた。 (ミハルが邪魔しなきゃ、直接話を聞けたのに)  ミハルのよく分からない妨害のせいで、せっかくの情報を知り損ねてしまった。  シオはツカツカとミハルに詰め寄ると、ミハルの手から水差しとコップをひったくった。ミハルが名残惜しそうな視線を向けてくる。 「あっ、まだ飲んでる途中……」 「休憩終わり」  冷たく切り捨て、長机の上に水差しとコップを載せると、シオはテトが検分中の薪の山に近づいた。上から数本を取って、ミハルの腕に押しつける。
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