食べるのも楽しむのも今しかない!@青森:2日目→’19.08.19~21

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 《詳細》 ⑧成長タクシー  朝バイキングで美味しいご飯をたっぷり食べた我々は(食べ過ぎたような気がしないでもないが)、ホテルを出発し、車で十和田湖に向かっていた。  少し国道を走り、途中道を折れる。  ふと、前方に走っているタクシーに注目した。  タクシーというのは、大抵地元に根付いているもので、東京ではお目にかかれないご当地ならではのタクシー会社が見つかるのだが――。 「成長タクシー?」  私は声に出した。  いや、見間違ってはいない。確かに『成長タクシー』と書いてある。 「前のタクシー、『成長タクシー』って書いてあるんだけど」  後部座席の母に話を振った。 「成長タクシー?」 「うん……しかも料金500円からだって、安っ、ワンコインじゃん」 「やっぱ東京とは違うよねえ」 「ねえ、成長タクシーって何が成長するの?」 「運転手?」 「タクシー?」 「車が成長するの?」  たまの息抜き、適当に話を広げるものだから、まあおかしな方向に進んでいく。  赤信号に遭遇し、車がスピードを落とした。  ピタッとタクシーのすぐ後ろにつけた。 「ん?」  見ると、小さな文字で『なりちょう』と書かれていた。 「違う、『せいちょう』じゃなくて『なりちょう』だって!」 「なあんだ」 「成長はしなかったか」 「おかしいと思ったよ」  勝手に勘違いしておいて、勝手にやんややんやと騒いだ。  だんだん車の数が減っていく。  成長タクシーが角を折れて、我々の前から去って行った。  道が上り坂になった。山を上っているのである。  さあ、ここから1時間半余り、信号はなし。  まさに野を越え山を越え、雨上がりの霧の中、山道を行くのである。
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