眠るマスク

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生ぬるい風が吹いた。 風に揺られてカーテンから零れる光が 寝ぼけ眼にシワを寄せる。 暑い。汗ばんだ身体が痒い。 肘の内側を掻きながら、寝返りをうつ。 ギシッ ぼんやりと見えた白い壁から 見慣れぬ天井に視界が移る。 ふいに香るシャンプーのいい匂い。 「んん……」 呼吸を感じて左側を見る。 そこには立体型のマスクをつけた黒髪の女性が 同じ枕で、至近距離で寝息を立てていた。 驚きのあまり、思考が止まる。 え?誰?、、、あっ。 昨日の夜に、出会った人だ。 けど、知らない人じゃあない。 ✒️_________執筆中_________🖋️ ダブルベッドであろう、冷感素材の水色のマットが敷いてある上に、タオルを巻いた低反発の枕がある。 そこには顎のラインに切り揃えられた黒髪が、 前掛りボブ、と言っていたような、マスクの上からでも分かる、筋の通った鼻にしっかりと、でも整えられた眉毛。
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