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雪山は、尋ねた。
「君の名前は?」
「別部」
機械的な返事が返された。
「クラスは?」
「1C」
「出席番号は?」
「いや、さっきから何故メモしてる?」
「登録するから」
「何にか、は、分かるからわざわざ聞かないが、僕は、入るなんて言って無いぞ。」
雪山は、少々慌てた素振りを見せ、弁明する。
「待って待って、今からプレゼンするから」
「一応、聞いてやろう。」
意外にも、別部は、話を聞いてやるつもりらしかった。
態度、雰囲気からは、想像できない。
「リレー小説部とは、ズバリ!、小説リレーをする部だ」
「……」
「詳しく言うと、複数人がリレー形式で一つの小説を書く部だ」
「……」
別部は、黙っていた。
「いや、ツッコミ!そのままじゃねぇーか!
とか、言い換えただけだ!とか、言ってよ!」
「くだらないことぐらい、自覚をしろ。人に言われるな。」
何の意外性も無く、無関心のように言った。
雪山は、落胆して言った。
「掃き捨てるように言いやがった」
「自分をゴミだと言いたいのか?」
雪山の漢字間違いに、別部は呆れ顔だった。
雪山は、咳払いをした。
「んんっ!気を取り直して。更にこの部は、全員強制参加制!より、スピーディーに作品を書き上げる!真面目に参加できない人は、退部だぁ!」
「……」
別部は、黙っていた。
「……んっ!」
雪山は、咳払いをして、横目で別部を見る。
「……」
別部は、黙っていた。
「だから、ツッコミ!!」
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