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雪山は、視線を俯かせた。
「分かってるよ。部員集まる前から、何、強制参加だとか、息巻いてんだ?!って、言いたいんだろ?」
「だから、君には何も言いたくない。」
「悲し!」
そんな調子のまま、二人は歩いていた。
「どうしよう~」
「馬鹿なことを言うんじゃない。
部員を集めるという課題が見えているだろう。
なら、行動に移すしか無い。」
「……」
雪山は、黙って立ち止まった。
別部が問いかける。
「どうした?」
「いや・・・良いこと言うんだな・・・」
「良いこと、というよりは、大事なことだ。君は、さっき見落としていたぞ。気を付けろ。」
「え、う、うん」
「何故、返事が曖昧なんだ?」
「何か分かりにくいから・・・」
「同感だ。」
「は?」
雪山は、口を開けて、止まる。
「いやいやいやいやいやいや……その返しは、おかしいでしょ?!」
別部は、黙ったまま歩いた。
「……お~~い。喋れーーーーーー!」
遠くに声をかけるかのように、雪山は、言った。
喋ってくれねぇーと、全然会話できねぇーよ、
と、切実な思いを込めて。
「いや、マジ喋れ!」
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