どんなときも。

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「僕が言いたいのは、こんな恋をするぐらいならもう恋なんてしないよ、って事。  ……だから、アカネ。僕と結婚して欲しい」 「何を言い出すのよっ?! もっとこう、ね? 私の気持ちって言うか、動揺してるのよ!? 分かる??!」 「落ち着けよアカネ。いつかアカネもこうなる事を望んでいたんだろ?」 「……そりゃ、そうだけど、さ……」  冷静になって考えると、アカネは最初から今のようになる事を考えていた。結末だけは予想外だったようだが。  ……と言う、現在に至るまでの恋の話を振り替えってみた。しかし、結婚すると女ってやつは変わってしまうモノだ。 「マコトさんさー、また『聲の色』借りたの?! そんなに何回も観るなら買ったら!?」 「買うと思い出しちゃうじゃないか。過去に置いてきた事は手元に無いから綺麗なんだよ」 「あーっ! もしかしてことりさんの事?? これだから男は女々しくて嫌になるわー」  僕はロールキャベツ男子だ。外側は野菜のように草食的だが、中身はぎっしり濃い肉の味がする油の乗った思い出が詰まっているからだ。 (完)
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