LoveSong探して

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「自分の事を闇雲にアピールするより、相手の事が少しでも分かった方が良いだろ?」  僕はミノルの言葉に静かに頷く。確かに、何も分からないで相手に求めるのは不相応と言うモノだ。 「だったら、自分はどんな性格や好みかを何かに例えた上で相手に『どうですか?』って尋ねるのが特徴的なアプリなんだよ」 「なるほどな。自分も相手も知る権利はあるからな。そう言うミノルは良い人いるのか?」 「いないからこうしてマコトと話しているんじゃないか」  男同士の会話も楽しいが、人生それだけではつまらない。意中の人がいるのは、人生に潤いを与えてくれそうだと刷り込まれている僕にとっては願ったり叶ったりだ。 「それに、比喩ーマッチを使えば自己分析にもなる。ほら、来年は就活が始まるだろ? 自己分析も出来ないような奴は企業はお断りだと言っている。少しでも自分の思っている性格と、他人から見た性格のズレが少ない方が良いだろ?」  得てして自分は自分に甘い。自分をデブと言う人間は少なく「ぽっちゃり系」とか「体格が良い」とか少ないダメージの言葉に変換して伝える。  現在二年生の僕らは就活に備えた活動を大学が支援している。彼女も就職も未来を見据えた行動が大事に思っている。 「……そうだな。どうすればいい?」
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