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「アプリをダウンロードして~……後は、自己アピール欄に『直接的な言葉じゃなくて、何かに例えた言葉』を書き込むだけだよ。
迷ったらいくつかデフォルトで用意されているモノもあるから、それを選べばいい」
そう言われて早速、ダウンロードし書き込んでみる。
「好きな色は、イメージカラーか……」
「そうそう。マコトはロールキャベツを書いとけよ。位置情報ゲームをやっているだけでアウトドアとは言えないからな」
「……分かってる」
良くも悪くもミノルは僕の事をよく見ている。次の講義までの時間は、それを書き込むだけでは足りなかった。
「書き終わったら公開するんだ。良いな、と思った人、または自分から検索して良いな、と思った人にメンションを送れば約束出来る」
「約束? 何の??」
「デートに決まってんだろ」
「ぃや~、僕、したことないし……」
デートと言う直接的な単語でしり込みする。デートが行われるなど、漫画やゲームでしか見た事がないファンタジーだ。それほど僕には縁遠いモノだと思っていた。
「そんなに気負うな。相手の合意があった上だ。俺も最初のデートまで二、三週間掛かったからな」
ミノルは「用事がある」と言って誘いを断る時があったが、そう言う事か……と納得する。出任せかと思っていたが、本気のようだ。結果が伴っていないようだが。
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