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不老不死の男とカトナの出会い
ここは地球とは違い、魔法や色んな種族の入り混じる世界。その世界では体質や能力が突然変異のように発現し、その種類は千差万別だった。そこに不老不死の体を授かり、世界を放浪し続ける男がいた。
彼はその体質ゆえに人との間に壁が生まれやすかった。周りが年を取っていく中、一人だけ老けず、彼一人を置いて皆死んでいった。
不老不死はどのような形であれ死や不健康を拒む。つまり自ら命を絶つこともできず、心身ともに常に健康を保たれる。彼はこの体質が宿った22歳から一切歳をとっていない。
なので彼は常に一年に一度ほどで変えた。そうすることで人々に深い関わり合いになることなく生活できると考えたのだ。
そしてある日、彼は一人で大砂丘の横断をしている最中、一人の女性が倒れているのを見つけた。彼はすぐに彼女に駆け寄る。
「おい、大丈夫か?」
少女の顔色は悪いものの、命に別状はなさそうだ。
「っみ、水を・・・」
彼は背中に背負っているリュックから水筒を取り出し、飲ませる。
「んっぐ、んぐゴクゴク。ふう助かりました」
彼女は水を飲んで落ち着いたようだ。
「これも食べるといい。顔色を見る限りまともな食事にもありつけていなかったのだろう?」
といいながら干し肉を差し出す。
「あ、ありがとうございます」
彼女は余程お腹が空いていたのかむさぼるように干し肉を食べていく。
「砂丘に荷物を一切持たず何しに来たんだ?」
「いえ、荷物は持ってきたんですが、街に向かう途中で珍しい色をしたサラマンダーを見つけて、捕まえようと夢中になって追いかけていたらいつの間にか荷物を投げ捨ててたみたいで。サラマンダーを見失って我に返ってみれば、荷物はない。ここはどこな状態で・・・最初は適当に真っすぐ進めば街に着くだろうと思って歩いていたんですが、力尽きちゃって。砂丘舐めてました」
彼はそれを聞きながら彼女の浅はかな考えに頭を抱えた。
「ここから一番近い街まで最短でも五日かかるぞ」
女性はぎょっとした顔をしながら
「ふえぇ。じゃああなたが私を見つけていなかったら確実に死んでましたね。あっ自己紹介がまだでしたね、私はカトナ。あなたは?」
「俺の名前はサダナだ」
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