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そしてその夜、湊音はべろべろに酔いつぶれるまで呑んだ。お酒弱いのに。
朝、湊音が起きると見覚えのない場所、といっても明らかにラブホテルとわかるベッドの上で目を覚ました。
そして、自分が全裸であることに驚き、隣に寝ていた2人の女の子も全裸でさらに驚く。
頭も痛い、気持ち悪い、完全に二日酔いだ。
「おう、起きたか。チビスケ。」
風呂場からガウンを着て出てきたあのスーツクタクタ男。ニタニタ笑っている。
「こ、これは……あのぉ……」
「覚えてないの???あんなにやばかったのに?」
湊音は全く記憶にない。
「女の子2人、ヒーヒー言わせておきながら、何とボケてんだか。あ、大丈夫。ちゃんと避妊はしてたから。」
湊音は頭を抱える。そう、お酒が苦手な理由は、飲むと記憶を無くすから。周りからも止められていた。
湊音は慌てて脱ぎ散らかした服をかき集め、着てかばんの中にある携帯を探す。
すると昨日の婚活パーティでもらった封筒が出てきた。
なぜか携帯よりも先にそれの中身を開ける。3枚……
最初の二枚は名前と顔が一致しない。しかし、最後の一枚……
「今日のオレンジジンジャー美味しかったよ。また何かあったら連絡して。
リヒト」
リヒト……。
あの彼だ……。少し胸のドキドキが高まった。
「リヒト、ていうんだ……」
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