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プロローグ
星。
見渡すかぎりの、星。
日中は四十℃を超える灼熱。夜は零下二十℃を下回る極寒。
あらゆるものの、行き着く果て。
流刑地という名の、ゴミ捨て場。
今となっては、私の故郷だ。
風の中、私は星の海を歩く。
瓦礫も、砂も、空の光に照らされ、あたかも星の粒が積み重なっているようだ。
…きれいだ。
そう、最後に口にしたのはいつだっただろうか。
考え、見上げると…。
二つの星が、降ってきたのだ。
……。
反射的に、私は二つの星を抱きとめていた。
ひとつは男の子。もうひとつは女の子。
「よぉ、オヤジ!」
「初めまして、お父様」
それが、セイと、アリス。
ふたりの、人形の、子供たちだった。
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