1月篇兼エピローグB: 幼なじみはくっついたけど、結局いじっぱりで困ってます

12/13
前へ
/579ページ
次へ
 ええ、そうですとも。  去年のお正月、エリカとふたりでこの近くにあるおしゃれな喫茶店でお正月メニューをやってるということで来たついでに、神宮にお参りするのもいいよねという流れになったとき。  そういえばと思いだしたのは、御利益のひとつに縁結びがあるということ。  せっかくだからとこっそり肌守りや学業成就のお守りに混ぜて、縁結びのお守りも買ったのだ。  ようやく年内ギリギリにだったけれど、それでも成就したのでそのお礼参りをするというのが、今回の目的――だったのに! 「え? っていうか、エリカもお守り買ってたの?」 「それもこっちの台詞! ルミこそ何時の間に!?」 「……え、何。俺の予想と違うんだけど」 「ふたりでいっしょに、って言ったもんね。ハヤト」 「……ああ、そうか。だから今回4人じゃなかったのか」  納得するな、ハヤトくん!  そうですよ。恋愛成就のお守りを買ってたことなんて、知られたくなかったもの。  お礼参りとデートを兼ねていたなんて、知られたくなんかなかったもの! 「まぁ、御利益はあったみたいだから、良いんじゃね?」 「うるさいっ!」「ハヤトくん黙って!!」 「ええ~……」  一喝!
/579ページ

最初のコメントを投稿しよう!

130人が本棚に入れています
本棚に追加