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翌日。 自分の部屋にいると、朝食が運ばれてきた。 ベーコンエッグにマフィン、クラムチャウダー、それとコーヒー。 いつものメニューだ。 朝食を終えて、部屋を出ようとすると、鍵を掛けられた。 急にエアコンが作動し、涼しい風が部屋中に吹き渡り、中々快適だった。 しばらくTVを見ていると、足音がして、誰かが鍵を開けて、部屋に入ってきた。 外に出るように言われ、新品の服に着替えてから、部屋の外に出た。 暗い廊下を歩いていくと、玄関が見えてきて、そこで綺麗な靴を履いて家の外へ出た。 そこにはワンボックスカーが停まっていて、中に乗るように言われ、車の中に乗り込むと、ワンボックスカーはすぐに発進した。 スマホを渡され、これでゲームをやってもよいと言われたので、しばらくは車内でゲームに没頭した。 一時間ぐらい経った頃、ワンボックスカーは急に停車し、スマホを返すように言われたのでゲームを中断した。 車からみんなが降りるので、こちらもつられて一緒に降りた。 外へ出ると、外人のような顔立ちの背の高い男が一人立っていた。 何やらお金のやり取りをしているようだったが、話が済むと、外人のそばへ行くように言われた。 嬉しそうにニヤニヤ笑っている外人は、こちらの手を握って挨拶してきたので、こちらも返した。 するとワンボックスカーは、さっさと行ってしまい、その場に外人と二人だけで残された。 外人はこちらの手を握ったまま、いかにも愛おしそうな顔をしてニヤついていたが、しばらくすると、ベンツが停車している場所まで連れて行き、車に乗るように言われた。 ベンツはすぐに発進し、しばらくは車に揺られていたが、一時間ぐらいで大きな建物の前で車は停車し、また降りるように言われた。 車を降りて建物に入ると、何もない部屋に通されたが、また鍵を掛けられた。 カーテンを開けて、窓から外を見た。 何かの大きな建物が見えたが、殺風景だなと思った。 だが、不意に建物の近くを歩いている"あの子"を見かけた。 あの子はこちらに気づかず、ただ歩いていたが、窓ガラスを開ける鍵が見つからないので、あの子に声を掛けられなかった。 数時間後、急にドアの鍵が開いて、血走った眼付きの男が入ってきた。 仮面を付けているので、顔自体は見えず、眼付きしかわからなかったが、男は血走った眼付きのまま、いきなりこちらの腕を掴み、部屋の外に引っ張り出した。 そして廊下を引き摺り回された挙句、建物の外に出された。 訳がわからないので少し暴れて叫んだら、荒っぽく口を塞がれた。 気がつくと、また何もない部屋に居た。 鍵が掛けられる音がしたが、その後は不気味な静寂がこちらを襲った。 窓もない部屋。 ドアには鍵が。 そのうち、部屋は真っ暗になり、何も見えなくなった。
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