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モヤモヤしたまま俺は文化祭当日を迎えてしまった。
「いらっしゃいませー」
ガヤガヤと騒がし教室。
梨花ちゃんのメイド姿を見てもときめかない自分に俺は史人さんの事が好きなんだと自覚してしまった。
キスだけで好きになるなんて軽すぎやしないかなんてどうでもいい事を考えていると一層騒がしくなる教室に我にかえった。
教室のドアを見てみると史人さんがヒョコっと覗いていた。
久々の史人さんにドキっと胸が躍る。
「虎太郎君」困り顔の史人さんに呼ばれ小走りで近づく。
「いらっしゃい」と少し顔を赤くなってしまった。
「似合ってるね、その恰好」優しく微笑んでくれた事にますます顔が赤くなる。
俺乙女かよ!!なんて自分でツッコミを入れる。
「こっちへどうぞ、メニュー持ってくるよ」と言い裏へ行くと梨花ちゃんが「虎太郎、今の人知り合い!?」
「うん、どうしたの?」
「超カッコいいじゃん!!紹介してよ」
「え…いいけど」本当は嫌だったが、紹介しないのもおかしいと思い一緒に席へと向かった。
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