果ての場所

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その日から宿題や課題が届くことはなくなった あぁ、やっと元の平和な生活に戻れる 私にはそれしか残らなかった ぼんやりと空白の時間を過ごし母とたまに会話する。それだけで幸せだった 現実に蓋をして空想、虚無に閉じ籠れるならそれで‥ 母「葉月?どうしたの?ぼんやりして また辛いことがあったの?」 知らない間に顔をかしげられていて、また心配させてしまったという罪悪感がのし掛かる 葉月「ん?大丈夫だって。私はいたって元気だよ。いつもお母さんがこうやって支えてくれるから‥。ありがとう、ありがとうね」 笑うのに心が痛いのは何だろうか 心が痛いって言ったら困るよね? きっと笑ってもくれない 私なら大丈夫、元気そうなふりで通せばいい 母「そう、ならよかった。ごめんね、力になれなくて」 そこでチャイムの音が響く、それによって私たちの会話は止まって母は来客の応対へと玄関へ出ていった しょんぼりした顔をしないでほしいと言っても やっぱり私がいると、ずっとそうなのだろう 私が居なくなれば‥。そんな事を言ったらきっと怒られる 何が正解なんだろう どうしたら笑顔のままでずっといられるのか 考え続けても答えは見つからなかった 母が帰ってくるのが待ち遠しい 来客の応対にしては長い 一時間かかるなんてほぼないのに‥ 不安を覚えて私も廊下に出ることにした 葉月「ねぇ、お母さん。なにかあった? 大丈夫?」 廊下に出て話し相手の姿が見えて声をあげそうになるのを抑える なんで‥なんで今。こんなときに 私の体から嫌な汗が流れ落ちる感覚がした 母「あ、葉月。紗愛さん来てくれたわよ 一緒に家で勉強したいってお誘いらしいわ いっておいで」 行かない‥他人と、ましてや彼女なんて嫌 その言葉が私の口から出かかる 言葉にしてしまったら私は母にまで失望されてしまう。 それだけは絶対に 私は耐えられない。なにも残らなくなる 唇を引き結び少しだけ間をおいて、いつもの笑みを浮かべる 葉月「お母さんいってくるね 少し遅くなるかもしれない いってきます」 もう戻れない、行かなきゃならない 母「気をつけてね。いってらっしゃい」 母の言葉を聞いて暖かな家を出て扉を閉めた
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