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明日香は、
相変わらずだった。
役所でも、
人目を気にせず、
僕に甘えて来る。
「静、昼、行こうぜ。」
色白で、
華奢で、
毛が薄くて、
キレイな肌をしていた。
そこらの女よりも、
よほどキレイだ・・・
葵も・・・そうだったけどね・・・
僕の肩に腕を掛け、
僕を強引に食堂に引っ張る。
もう・・・
そんなに引っ張らないでってば・・・
周りの皆が変に思うよ?
いいの?
僕は別に構わないけど・・・
「俺、両想いになれたの、初めてかもしれない。嬉しい・・・」
嘘でしょ・・・
明日香なら、
誰でも選び放題だったんじゃないの?
「ほら俺、ちょっと性格に難があるじゃん?だから・・・いつも俺の独りよがりだった・・・でも、静は応えてくれた。俺・・・嬉しい・・・」
僕は、彼に肩を抱かれながら、クスッと笑った。
それに気付かず、食堂でメニューを選んでいる。
本当に・・・
なんか、何というか・・・
単細胞?
その言葉がピッタリだよね。
でも、僕はそこが気に入ったの。
僕は、色々考えちゃう方だから、明日香の奔放なところに、惹かれたの。
それで、両想いになれたの。
それ、分かってる?
きっと・・・分かって無いんだろうな・・・
もうこれから先は、
君のことだけを大切にしていくよ。
葵は、
きっと変わらず僕に接してくれると思う。
それでも、
焼き餅焼いたりしないでね?
食堂で会った同僚に、
気安げに話しかけている君。
分かってる?
君はもう、
僕のものなんだから。
そんな同僚と仲良くしてたら、
僕は気が気じゃ無いんだからね。
心も体も、
全て僕のだよ。
僕って、
こんなに独占欲が強いなんて思っても見なかった。
全部、
君のせいだよ。
ずっとずっと・・・
責任取って貰うからね。
ー完ー
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