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雪の寒い夜も、葵お兄さんは僕の家を訪れてくる。
一緒に、
温かい石油ストーブに当たるのが、
僕の楽しみだった。
兄さんがお風呂に入っている間、
僕は葵お兄さんを独り占めする。
石油ストーブの赤い光が、
葵お兄さんの顔を優しく照らしてた。
キレイ・・・
僕は思わず呟く。
「ん?何がキレイなの?静。」
「わわっ、な、何でも無い!!」
心の声ダダ漏れ・・・
僕は苦笑した。
「この間の学園祭、とっても楽しかったよ。まさか静がベストカップル賞穫るなんて、思っても見なかった。」
葵お兄さんはクスクスと笑う。
僕は、
その頬にキスをしたいと思った。
でも、それは出来ない。
してしまったら、
今の関係を壊してしまうだろう。
僕は、フフッと笑って、葵お兄さんから視線を外した。
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