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「その笑顔・・・大人びたね、静。」
僕を赤い顔が見つめてる。
その顔は、ストーブのせい?それとも別の・・・?
「キスしたい・・・」
え?・・・
今・・・
葵お兄さんの口からキスって言葉が・・・出た?・・・
僕は呆けて葵お兄さんの顔をじっと見つめた。
いいの?キス・・・してもいいの?
「あ・・・いや・・・ゴメン。何言ってるんだ、僕は。」
葵お兄さんが顔をフルフルと振った。
赤い顔で、すごく可愛い顔だった。
その時・・・
兄さんがお風呂から出て来て・・・
兄さんと風呂に一緒に入っていたのはもう昔のこと。
今は、別々に入っていた。
だって・・・
狭いものね。
兄さんの次は、僕の番だった。
「あ、僕も、お風呂貰っていいかな?」
葵お兄さんが唐突にでもぎこちなく言った。
母さんと父さんはまだ会社。
兄さんは、目を見張った。
「静の番だけど・・・一緒でいいのか?葵。」
「静が良ければ・・・」
え。ええーーーーーーー・・・
葵お兄さんと一緒のお風呂?
どうしよう、僕、緊張する・・・
嘘でしょ、どうか嘘だと言って・・・
「いい?静・・・」
「あっ、う、うん。逆に、僕と一緒でもいいの?」
「もちろん。可愛い弟だ。」
僕は、葵お兄さんと一緒にお風呂に入る権利を手に入れた。
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