幼馴染み

14/21
前へ
/80ページ
次へ
洗い終わって、 二人で温まって、 脱衣所でスエットを着ようとしていると、 葵お兄さんが僕に抱きついてきた。 まだ、裸のままの体・・・ 滑らかな肌が僕の体に張りつく。 ドキドキと心臓の音がやけにうるさかった。 「ど、どうしたの?・・・」 「・・・・・・・気持ちいい・・・静の肌・・・」 僕をしばらく抱き締めて、そして体を離すと、 ニコッと笑った。 僕はその笑みにもドキドキする。 葵お兄さんは、フフッと笑い、兄さんのスエットに腕を通す。 ちょっと・・・止めてよ・・・ からかうのは・・・ 僕、本気にするよ?・・・ 「あ、あの・・・き、キス・・・してもいい?葵お兄さん・・・」 葵お兄さんは、ビックリした顔をしていた。 わ・・・やっぱり僕、失敗した!! 「あ、あの、い、今の、冗談!!」 僕は慌てて、スエットを着込んだ。 葵お兄さんは、余裕の笑顔だ。 「いいよ、って言ったら?」 僕は葵お兄さんの笑顔を見つめた。 頬に熱い熱が上がる。 「う、嘘でしょ。また、僕をからかって遊んでるんでしょ?」 僕はオタオタと慌てていた。 その様子を見て、葵お兄さんがクスクス笑う。 ああ、やっぱり僕はからかわれている・・・ それがなんとなく寂しかった。
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

51人が本棚に入れています
本棚に追加