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洗い終わって、
二人で温まって、
脱衣所でスエットを着ようとしていると、
葵お兄さんが僕に抱きついてきた。
まだ、裸のままの体・・・
滑らかな肌が僕の体に張りつく。
ドキドキと心臓の音がやけにうるさかった。
「ど、どうしたの?・・・」
「・・・・・・・気持ちいい・・・静の肌・・・」
僕をしばらく抱き締めて、そして体を離すと、
ニコッと笑った。
僕はその笑みにもドキドキする。
葵お兄さんは、フフッと笑い、兄さんのスエットに腕を通す。
ちょっと・・・止めてよ・・・
からかうのは・・・
僕、本気にするよ?・・・
「あ、あの・・・き、キス・・・してもいい?葵お兄さん・・・」
葵お兄さんは、ビックリした顔をしていた。
わ・・・やっぱり僕、失敗した!!
「あ、あの、い、今の、冗談!!」
僕は慌てて、スエットを着込んだ。
葵お兄さんは、余裕の笑顔だ。
「いいよ、って言ったら?」
僕は葵お兄さんの笑顔を見つめた。
頬に熱い熱が上がる。
「う、嘘でしょ。また、僕をからかって遊んでるんでしょ?」
僕はオタオタと慌てていた。
その様子を見て、葵お兄さんがクスクス笑う。
ああ、やっぱり僕はからかわれている・・・
それがなんとなく寂しかった。
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