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紅白歌合戦を一緒に見る。
葵お兄さんのお母さんとお父さんは、
途中で帰って行った。
葵お兄さんだけが、
僕の家に残った。
年越しを、
一緒にしたい。
年越しそばを、
一緒に食べた。
「本当に、いつもありがとうね、葵くん、静に優しくしてくれて。」
「いえ、僕にとっても弟のように可愛いので・・・っていうか、本物の弟のような存在なんです。」
葵お兄さんは、頬を赤らめた。
弟・・・
やっぱり僕は、そのスタンスなんだね。
高校に入り、
背が伸びても、
こんなもやしみたいな僕じゃ、
お兄さんを守れないよね。
葵お兄さんと兄さんは、
成人していたから、
お酒が振る舞われた。
僕は、ジュースだ。
こんな所にも、差を感じる。
日本酒の純米大吟醸っていうお酒だった。
冷たくして、僕の父さんと母さんと兄さん達で楽しんでいる。
なんだか僕は、
疎外感を感じた。
僕だけが子供・・・そんな疎外感を・・・
高校に入ってもう1年も経つのに・・・
所詮高校なんて、まだ子供だ・・・
僕は早く大人になりたかった。
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