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僕は斎藤静。中学1年生。
僕が6歳の頃から、ずっと好きな人が居る。
10歳年上の安藤葵お兄さん。
僕の兄である斎藤薫と同級生で、僕のことを大切に大切に扱ってくれた。
一緒に遊んでくれた。
僕はずっとずっと、葵お兄さんが大好きだった。
女の子を好きになるように・・・
僕は女の子よりも、葵お兄さんが好きだった。
僕が泣いている時、抱っこして、いい子いい子をして、髪の毛を撫でてくれた。
その優しい手がとても安心出来て。
僕はいつの間にか泣き止んでいた。
魔法の手・・・
僕はそう心の中で呼んでいた。
僕はいつも、葵お兄さんの傍をウロチョロしていた。
優しい綺麗な瞳で、僕を見つめてくれた。
僕はそれが嬉しかった。
眩しい瞳・・・
でも・・・でも・・・
葵お兄さんは、僕の兄である薫兄さんといつも一緒に居た。
僕は、実の兄よりも、僕に甘い笑顔をくれる葵お兄さんのことが大好きだった。
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