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高校で仲良くなった仲間。
親友というか・・・
面倒見のいい竹広人。
イケメンで僕に過剰なスキンシップをしてくる白井幹生。
それに、噂好きの須崎透。
僕達は、いつもつるんでいた。
秋になって、
高校の文化祭が間もなく始まる。
僕らの高校でもお馴染みの、
学園のMr.とMissとベストカップル賞を決めるっていうイベントがあった。
学園の皆からアンケートを取り、
生徒会が集計したものだ。
僕は、兄さん達を学園祭に呼んでいた。
「兄さん!」
僕が兄さんに駆け寄ると、
葵お兄さんも一緒に来てくれてて、
「おう、静。来てやったぞ。面白い試みだな、Mr.とMissとベストカップル賞?お前が選ばれるともっと面白いんだが。」
「静は、そんな目立つ方じゃないでしょ。静の良さは、僕達が知ってるだけでも十分だから。」
葵お兄さんはそう言って、僕の頭を撫でてくれた。
まるで昔の頃と同じように・・・
僕は嬉しかった。
Mr.には、幹生が選ばれた。
やっぱりな・・・イケメンだもんな・・・
王子様的容姿を持つ幹生は圧巻のMr.だった。
Missは、
学園の中でもマドンナ的存在の、
3年生の小島先輩だった。
そしてベストカップル賞は、
なんと、
僕と幹生が選ばれた。
「え?・・・え?・・・」
「静!!来いよ!!」
僕が慌てていると、台上の高さから、幹生が手を僕に差し伸べた。
僕はそれでも事態が把握出来ない。
う、嘘・・・でしょ・・・
僕は葵お兄さんを見つめた。
葵お兄さんも、信じられない表情で僕を見つめている。
「斎藤静くん、壇上へ。」
生徒会長の呼びかけで、
僕は腹をくくった。
兄さん達の傍を離れ、
壇上に登った。
なんで男同士?
僕はなんで選ばれたの?
いつも幹生とつるんでるから?
っていうか、
冗談が過ぎる。
男同士のベストカップル賞だなんて・・・
そうこう思って居る内に、
僕は壇上で幹生とくっついて、写真を撮られた。
そんな僕達を、
葵お兄さんは見つめていた。
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