幼馴染み

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僕と兄さん達は、10歳違い。 母さんは、子供は二人、って決めてたらしい。 でも、兄さんの育児と仕事の両立で疲れ切っていたから、 兄さんが落ち着く年頃になるまで、 妊娠を控えていたらしい。 なので、10歳違いの兄弟となった。 兄さんは優しい。 僕の心配をいつもしてくれる。 ワシャワシャと、頭を撫でられる。 僕は、兄さんに愛されていた。 でも、違うんだよね。 葵お兄さんに対する愛情と、 僕に対する愛情は、 質が違うんだよね。 僕には分かっていた。 キス・・・するような仲・・・ 僕には衝撃的だったんだ。 当時中学1年生の僕にとっては、 天地がひっくり返るような驚きで・・・ でも僕は諦めない。 葵お兄さんは僕のだ。 ひっそりと、 その想いを温めてきた。 高校に入ると、 急に伸びた身長と僕の見た目で判断する人のなんて多かったこと。 日に何度も女子から告白される。 時には、男子から告白されることもあった。 僕は、皆に断っていたけれど。 だって、 僕の好きなのは葵お兄さんだけ。 葵お兄さんさえ居てくれればそれでいい。
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