白い覚醒

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「あっ・・・・ああ・・・あ・・あ・・・・・・・」 生暖かい液体は、びちゃびちゃと音を立て床に水溜りを作っていく、それは同時に足を伝わりスニーカーの中にも液体は溜まっていった。 私は一気に力が抜けその場にしゃがみ込む。 ワンピースもびっしょりになってしまったが気持ちはもうそこには無かった。 (はぁああ・・・ああああ・・なに?・・気持ち・・いい・・) 決壊してしまった瞬間。 身体をまっ逆さまにして宇宙に放り出されたような。 今まで味わったことのない強烈な快感の渦に巻かれ、私は絶頂に達してしまっていた。 それはギプスによる強固な拘束感と失禁のもたらす圧倒的な解放感という、相反する感覚が完璧にリンクした瞬間だった。 その場に座り込んだまま放心状態の私は時折ビクッと身体を震わせ、初めて味わう感情と感覚に身を委ねた。  「あん・・ん・・・ん・・・はぁ・・・・」 「うん・・・あああ・・・・あ・・ん・・ふ・・・・んあ・・・」 30分以上経っても、私は変わらずその場にしゃがみ込み自分自身の尿で下半身をびしょびしょに濡らしながら自分を慰めていた。 「あっ・・ん・・」 快感で足の指が動く度にグチュグチュとスニーカーの中に溜まった液体が音を立てる。 ぐしょ濡れのワンピースも下半身にピッタリと貼りつく。 ギプスで拘束された右腕は動かせない。 慣れない左手だけで自分を慰める。 その不自由さは欲情を加速させ既に何度も達してしまっていた。 「んはぁ・・・ん・あ・・・いい・・ああ・・」 勿論、自らを慰める行為は何度も経験している。していたけど、今までのそれとは比較にならない快楽にただおぼれ続けた。 私はその場で座り込み、いつもと変わらない自分の部屋を焦点の合わない目で見つめながら、自分はもう壊れてしまったんだなという想いを何度も反芻していた。
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