白い解放

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 その後の日々は部屋で撮り貯めた映画を観たりして過ごした。 お腹が減ると予め買ってあったカップラーメン等で空腹を満した。 食材が無くなるとスカートの下にオムツをしたまま近所のスーパーに食材を買いに出かける。 上手くギプスをアピール出来る服装をウキウキしながら選ぶ。 同じマンションの住人やすれ違う人々は私のギプス姿に関心を示さない。 (アピールが足りないのかな?) スーパーでは年配のレジの人や品出しのパートさんは親切にしてくれ、時には買い物カゴを運ぶのを手伝ってくれた。 (よしっ痛々しくみえたと思う) その際の些細な会話の中でも私は重傷をアピールするのを忘れなかった。 食事は利き腕が使えないのでもっぱらフォークを使った。慣れない左手で上手く口に運べないのが嬉しい。 部屋で尿意をもよおすとなるべく限界まで我慢をし着衣のまま解放した。 TVを観ている時や食事時中の時もあったけど、私は構わずにその都度に訪れる最高の快感に酔いしれた。 布団の中でしたときは、グチュグチュした感触を楽しみながら寝てしまい朝を迎えることも度々あった。 週末には紗英ちゃんと待ち合わせて街へ繰り出す。 そこは貴子さんのマンションがある駅なので少し気にはなったけど、お互いの家の近くでショッピングや映画を楽しめる大きな街はそこしかない。 その周辺の住民は遊び行こうとすると必然的にその街になってしまう。 普段ならさほど気にならない松葉杖や三角巾姿も、二人並んでいると目につくようでいつもより視線を感じる。 まして揃って若い女性二人が連れ立っている様子は、もはや非日常の光景に近いらしい。 人には異質なものに関心を向ける習性があるんだなと改めて感じた。 いつもより多く浴びせられる視線は私と紗英ちゃんと有頂天にさせた。
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