白い解放

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(とうとう言っちゃた・・) 「ん?急にどうしたの由香ちゃん?」 「あのね、両手がギプスになるのって凄く興奮すると思わない?」 「何?何の事?」 「それでね・・・左手も骨折したいの、左手にもギプスを巻きたい」 「ちょっと、えっ何言ってるかわかってる?」 声のトーンが上がり早口になる。 「あたしも来週にはギプスが外れちゃうから気持ちは凄くわかるけど、両手が折れちゃうんだよ」 「うん」 「凄く不便だし、凄く痛いと思うよ」 「わかってる。でもどうしても我慢できないの、ねえ紗英ちゃんお願い、骨を折ってくれないかな?」 左手と紗英ちゃんに視線を交互に移しながらお願いをした。 「でも、でも、両手ともギプスになっちゃったら、ご飯とかトイレとかどうするの?」  トイレという言葉が出た時、鼓動は一気に加速した。 体は熱くなり、膝が震え出す。 「由香・・・ちゃん?」 突然下を向き押し黙った私に戸惑いながら声をかけてくる。 (紗英ちゃんならきっと大丈夫・・嫌われたらどうしよう・・大丈夫・・・理解してくれるわ・・でも・・・嫌われる・・どうしよう・・怖い・・) 口から心臓が飛びしそうになりながら、私はゆっくりと立ち上がる。 「えっどうしたの?」 顔を真っ赤にしながら左腕とギプスを巻いた右腕で部屋着にしているスウェットを下げ、オムツが当てられた下半身を晒した。 「・・・由香ちゃん・・それって・・」 自分の耳を壊しそうな鼓動の音を抑えるように、声をあげカミングアウトをした。 「紗英ちゃん、私おかしいの、変態なの、骨折してギプスを巻かれるだけじゃなくて、お漏らしも快感になってしまったの・・・・紗英ちゃん・・・私・・・」
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