白い破壊

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 後で聞いた話だと紗英ちゃんが椅子の上に立ったとき、この高さでは不十分だと思ったそうだ。 とっさにより高いテーブルの上から飛び降りようと思いつきその上に登った。 いざ飛び降りようという時に足のギプスが滑ってバランスを崩して落下し、当初の予定から着地点はズレてしまった。 結果、全ての衝撃は手首周辺ではなく肘にかかった。 またタイミング悪く私が身を起こしかけて肩を浮かしたので、丁度テコが効いて私の肘は逆に折れ曲がってしまったらしい。 肘の痛みはもう痛いのか熱いのか解らない。 なんとか痛みに慣れようと呼吸をした瞬間、更なる激痛が私の肘で爆発した。 逆に折れ曲がった私の肘を見て動揺した紗英ちゃんが慌てて元に戻そうとしたのだ。 骨折した肘を乱暴に曲げられた激痛は私の意識を刈り取った。 「んぎゃ!あああ・・・・・」 私は気絶をしてしまった。  ( ・・・・・・・・・・ ) 腕の痛みで私が目を覚ますと紗英ちゃんが心配そうに覗き込んでいた。 左腕は三角巾で吊られていたけど痛みでまったく動かすことが出来ない。小指一本動かすだけで呻きながら油汗を流す有様だ。 恐々覗くと私の肘は赤黒く変色し、ソフトボールを埋め込んだように腫れ上がっていた。 (こんなになっちゃって、治るのかな?もし切断とかになったら・・・) 激痛の海の中ではマイナスの思考しか生まれなかったけど、それは私がまぎれもなく強く強く望んだ結果だった。
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